恋は突然に


「お前、今、付き合ってるヤツとかいるのか?」


「べ、別にそんな事アンタに答える筋合いない!」


私がそう言うとヤツはグッっと、自分の顔を私に近づけてきた。



゛ヤバ!なんて睫、長いの?それに怖いと思ってた目、よく見ると綺麗な目してるじゃん。切れ長だし、鼻筋通って結構いい顔ってか‥そこらのアイドルよりカッコいいんじゃ…って!そんな事は関係ない!″



「なっ、なに…」



゛えっ?″



私の言葉は途中でヤツの唇によって塞がれてしまった。



゛キ、キスしてる?…エッ!!?″



「ちょっ、ちょっと!何するのよ!いきなり…ファーストキスだったのに…」



私は思いっきりヤツの胸を両手で押しのける。



「ヤベ!マジで?チョ~嬉しいんだけど、これでもう、俺の女なっ!真菜!」



「ちょっ、ちょっと!何ふざけた事言ってんの?しかも呼び捨てだし、あんたの事なんて私、知らないし!」



「オレ?俺は、工藤芹、甲南中の3年」



゛ヘェー甲南中って、結構コイツ、頭いいんだ…って、そんな事はどうでもいい″



「あんた!」



「芹」



「…エッ!?あのねえ」



「芹」



「だから」



「名前、゛あんた″じゃなくて、芹」
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