不器用な君等の唄へ
Ⅱ
夏といえば、太陽。
眩しさに目を伏せる。
佐々木家の別荘は海の近くにあった。
「暑いな。」
「…あぁ。」
まさか高橋がこの遊びのような合宿するとは誰も思わず、音宮までもが賛成した。
雪比良は目を輝かせた轟や佐々木を呆れた目で見ていて、俺は高橋もそれに加わっているのに驚いた。
…あいつ、何かあったかな。
「紘波、練習は?」
「はいはい、するよー。」
しかも、佐々木の別荘には防音室というのがある。
持ってきたベースやらギターやらドラムセットを広げて、練習を始めた。