不器用な君等の唄へ


合宿に行きたいと言っていた奴が、一番疲れていたようで、轟と佐々木は最初に部屋に籠もった。

リビングに残った音宮はテレビをつけて、ニュースを見る。

高橋は一緒になってそれを見つめ、雪比良は部屋に行ってしまった。

結構バラバラだな…。

俺は携帯電話を持って、ベランダに出た。

黄色く輝く夕日が眩しくて、それを背に電話をかける。

『もしもし、流星?』

聞き慣れた、滑らかな音程が耳にはいる。

「うん。」

『合宿楽しい?』

妃芽は多分笑ってる。
見なくても、容易に分かる。



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