不器用な君等の唄へ


「楽しいよ。」

妃芽がいるともっと楽しいと思うけど。

自分の長い陰を見る。

同じ日本だから、妃芽の方も夕方なのか。

『私はちょっと寂しいかな。』

「可愛いこと言うね、妃芽。」

『…嘘です。大嘘です。』

おかしくて笑った。
妃芽がそんなことを言ってくれるのは嬉しくて、くすぐったい。

少しだけ合宿に来て良かったと思う。

「帰ったらソッコー会いに行く。」

『疲れちゃうよ?休んでから来た方が良いと思うよ?』

「妃芽に会ったら回復する。」

アホか俺は。



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