不器用な君等の唄へ
その結果。
「…え、」
音宮先輩が負けた。
なんて声をかけて良いのか分からなくて、オロオロする。
「透子、罰ゲーム決定。」
明らかに眉をピクピクさせながら、怒りを露わにする音宮先輩に、佐々木さんはケラケラ笑う。
これが二人のコミュニケーションなの!?
「じゃあ、栄に土下座して『何でもお申し付け下さいませ』って言って。」
「佐々木さん、そんな…。」
あんまりですよ、と言う前に携帯のランプが光ったのが見えた。
青からだ。
『行ってらっしゃい。兄貴とかよろしく。』
了解しました、と周りを見たら先輩二人は居なくなっていた。