不器用な君等の唄へ
バケツを持った矢祇と、俺のも含め大量の花火を持った三人。
「おー、丁度帰って来ると思ってた。」
矢祇は別荘より少し離れた場所にバケツを置いて言った。
「あ、透子おかえ、ぐっ。」
「あぁ゙?」
佐々木の胸ぐらに掴みかかる音宮を轟が止めようとする。
…もはやコントにしか見えねぇ。
それから目を離すと、高橋がライターで花火へ点火した。
飛び出す様々な色の光に目を奪われる。
「ちょ、次のに点火しないと終わっていきますよ。」
「あ、そっか。」
揉める女子等を背に、俺等は黙々と花火に点火をしていった。