不器用な君等の唄へ
Ⅴ
夏といえば、大三角形。
散々騒いだ後、それぞれに眠りについたらしい。
あたしは一人、行きの電車で寝た所為か、全く眠くなかった。
家政婦さんも眠ってしまったらしくて、深夜のテレビを見るしかすることが無い。
『今週のシングルランキングは───』
灯りを点けない部屋の中で、テレビの音声だけが喋っている。
なんだか滑稽な感じがした。
中より外の方が明るくて、ベランダの方から明かりが見える。
テレビを点けっぱなしのまま、ベランダに出た。
満天の星が広がっていた。