不器用な君等の唄へ
Ⅵ
夏といえば、空気。
隣に座っている音宮先輩は、音宮同様小さいというか細かった。
しかも、他人なら結構深刻な顔で聞くのを、興味無さそうに聞く。
…ちょっと部長の趣味は分からないな。
「言いたくないなら、別に流してくれて構わないんだけど。」
「いえ…ちょっとしたスランプです。」
笑って誤魔化そうかと思ったけど、止めた。
虚しいだけだ。
音楽番組が終わった。
今週のアルバムランキングの一位は、男ばかりのバンドらしい。
「…へぇ。」
通販番組へと切り替わる。