不器用な君等の唄へ


沈黙は、言いたいんなら言えとも取れるし、静かにしてくれとも取れる。

俺は、どっちを選ぶのか。

「陸上、好きだね。」

脈絡が無い。
どこからそう取れたのかが分からない。

現に俺はスランプだと言って、陸上から逃げているのに。

家族に陸上を休みたいと言ったら、腫れ物扱いされた。

でも、この人と音宮は…そんなことしない。
姉妹、なのか。

「…好きです。」

そう言うと、こちらをパッと向く。

そして、笑った。



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