不器用な君等の唄へ
援交とでも見えたのか。
彼は透子の言葉に納得したようで、俺に会釈する。
…誰だ、こいつは!
「買い物?」
「あぁ。」
そう答えると彼は「じゃあな」と言って歩きだした。
「…知り合いか?」
「バンドで一緒。」
「あぁ、ギターやってた…。」
「クラスも一緒。」
「クラスメートか。」
「席が前後。」
「…。」
「…で、この前晴れて恋人になった。」
「誰の?」
「あたしの。」
白くなりそうなんだが…。
少し嬉しそうな透子。
「追いかけなくて良いのか?」
少し苛っともしたが、そこは余裕を持って。