不器用な君等の唄へ
万能で素晴らしい佐々木(ササキ)さんはまだいないらしく3年生の席はがら空き。
今年は受験だから。
こういう行事を無駄だと思う人もいるんだと思った。
「おはよ。」
近くから声がして見下ろすと青が椅子に座って、眠そうな顔をしている。
「おはよう、前行かないの?」
「行かない。応援、かったるい。」
「…グレてる?」
ついに兄の雪比良(ユキヒラ)部長化してきた!?
「グレてません。昨日ずっとゲームしてて眠い。」
…まさかね。
青は、やはりいつも通りの青だった。
「佐々木さん来ないね?」