不器用な君等の唄へ
「あ、噂をすれば。」
青の声と周りがざわめくのに顔を上げた。
それはざわめくわけだと感じる。
佐々木さんと音宮先輩と雪比良部長が並んで歩いているのだから。
期待の佐々木さんが来たのも理由のひとつだと思う。
あと、美男美女が並んでいるのも。
…でも…。
「音宮先輩、体育祭出るのかな?」
それに一番驚く。
青は含み笑い、
「昨日、兄貴が説得してた。最後なんだから学校に来るぐらいしろって。」
「流石…。」
「まぁ、簡単に先輩は折れなかったみたいだけど。」
逃げないようにか、雪比良部長は音宮先輩の手を引っ張っていた。