不器用な君等の唄へ
並べて見るとあんまり似ていないのが高橋兄弟。
カイは兄と比べられるのが嫌らしく、高橋は自分の引いたレールを渡る弟を鬱陶しいと思っているらしい。
「なんか言った?」
カイは首を傾げて聞く。
「ううん。」
「桔梗さん、最後の色別リレー出る?」
「出るよ!応援してね!」
「了解。」
親指を立てて返事をする。
私はそれに笑い、ひとつ後ろの席に座る高橋を見た。
「高橋、アンカー?」
「そうだけど。」
サラッと流すように言うけど、普通じゃない。
陸上部のエースだし、陸上で食べていけるんじゃないかという噂もあるけど…