不器用な君等の唄へ

並べて見るとあんまり似ていないのが高橋兄弟。

カイは兄と比べられるのが嫌らしく、高橋は自分の引いたレールを渡る弟を鬱陶しいと思っているらしい。

「なんか言った?」

カイは首を傾げて聞く。

「ううん。」

「桔梗さん、最後の色別リレー出る?」

「出るよ!応援してね!」

「了解。」

親指を立てて返事をする。

私はそれに笑い、ひとつ後ろの席に座る高橋を見た。

「高橋、アンカー?」

「そうだけど。」

サラッと流すように言うけど、普通じゃない。

陸上部のエースだし、陸上で食べていけるんじゃないかという噂もあるけど…



< 38 / 150 >

この作品をシェア

pagetop