不器用な君等の唄へ
風の便りで、ホステスだかになったと聞いた。
…離婚したその時。
「あたしとあんた、血繋がってないって。」
娘である透子が、何故そんな事を知っているのか。
少し時期はズレていて、“俺等”の子供ではないとは確信してはいたけど。
「友達の知り合いに調べてもらったの。」
「そうか。」
「…あたしなんて捨てた方が良い。」
そう聞いてやっと意味が分かる。
多分、自分が俺の重荷になると思っているんだろう。
「…お前は俺の家族だよ。ただ1人の娘だ。」
その時に流した彼女の涙は今も覚えている。