不器用な君等の唄へ

元不良の人って、意外に足が速いのかもしれない。

矢祇さんは喧嘩慣れしているとお姉ちゃんから聞いた事がある。
…頭は絶望的みたいだけど。

お姉ちゃんは…私より遅い気がする。

私が速いと自負するわけではないけど、いつも体育を休んでいるからあまり体力のいる事は出来ない気が。

「次、色別対抗リレー。」

高橋から声がかかって現実に戻る。

「あっ、うん!」

私は立ち上がり、入場門へ行く。

茉莉の姿を見かける。

「桔梗ぉ…音宮先輩、怖いんだけど!!」

「怖いって…。」

それ言ったらもっと怖いことになるよ。



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