不器用な君等の唄へ




先程から高笑いしてる女が1人。

あたし。

「もう高笑い止めたらどうスか?さっきからゴリラかチンパンジーにしか見えない。」

生意気言う青を睨む。

「ちょっと。リレー勝ったのはあたしのおかげでしょうに!」

「佐々木さん、落ち着いて下さい。」

轟が宥めてくる。

午前中からギラギラしている太陽は、午後は一層強く光る。

夏もやっと終わるはずなのに涼しい風もひと吹きもしないし。

溜め息が出るような天候に恵まれた体育祭も終盤になった。

隣に座る野田ちゃんは、帰宅部のため、もう出る種目はないらしい。



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