不器用な君等の唄へ
Ⅳ
先程から高笑いしてる女が1人。
あたし。
「もう高笑い止めたらどうスか?さっきからゴリラかチンパンジーにしか見えない。」
生意気言う青を睨む。
「ちょっと。リレー勝ったのはあたしのおかげでしょうに!」
「佐々木さん、落ち着いて下さい。」
轟が宥めてくる。
午前中からギラギラしている太陽は、午後は一層強く光る。
夏もやっと終わるはずなのに涼しい風もひと吹きもしないし。
溜め息が出るような天候に恵まれた体育祭も終盤になった。
隣に座る野田ちゃんは、帰宅部のため、もう出る種目はないらしい。