不器用な君等の唄へ
栄何やってんの…、と呟きそうになったけど今は男女別綱引き。
女子の部は午前中に終わっている。
透子も頑固だし甘ったるいから、きっと栄と居る時は平気な顔で話していたんだろう。
「紘波、足速い。」
「どうもありがとう!もっと誉めてくれたら嬉しい。」
久しぶりに透子から聞く賛辞の言葉に調子に乗ってみた。
透子はやはり呆れて、でも弱々しく苦笑している。
「透子ちゃんは種目出ないの?」
「出ない。面倒だもの。」
そんなバッサリと言う透子に野田ちゃんは呆れてるけど。