不器用な君等の唄へ
あたしも好きじゃない。
…いや、遊び相手にはもってこいなんだけど、もうそんな事からは卒業した。
それに自分から言い寄れるのは、それなりに自信と余裕がなくちゃ。
透子はいつも通り、アキヨシを視界に入れずに歩く。
その後を続く野田ちゃんは頭に疑問符を浮かべていた。
「またしてもシカト?俺マジに嫌われてんのかな?」
しつこいな、こいつ。
何も言わない透子と喋り続けるアキヨシでは拉致があかない。
でも、あたしは黙っていた。
こういうのに巻き込まれて、後から何か言われるのはごめん。