不器用な君等の唄へ
「愛しあっているから自分が身代わりになって、死んだりするのって可笑しくない?」
さっきの心地良さそうな顔とは一変して眉を顰めながら考えている。
「何が?」
「自分が居て相手が居て初めて愛し合うって成立するじゃない?だから、自分を犠牲にしてでもって事は結局…。」
「愛してるだけの自己満足か?」
その先を読めば少し驚いた顔をして、頷く。
間違ってはいない。
自己犠牲は結局、自分の為だ。
「…理屈じゃないんだよきっと。愛する相手が苦しんでいたら代わってやりたいと思うのは。」