不器用な君等の唄へ
幼い子のように唇を尖らせている。
あたしは店員さんを呼んで
「すいません、烏龍茶下さい。」
と注文する。
「香坂は別れてスランプに陥ったらしいじゃん?」
見定めるかのような口調で言われる。
「誰がそんなこと!」
しかも1年も前の話。
「情報通を舐めちゃならないよ。」
「そういうヒロナさんはどうなんですか。」
「だーかーら。あたしは男は…。」
「フラオブですよ。」
ヒロナさんの箸が止まる。
意外な話題だったのか、目を丸くしている。
あたしだって、それくらい知ってる。