不器用な君等の唄へ
「あ、いた!」
他クラスまで来て、高橋くんの姿を見つける。
私は…焦っていた。
先輩達の卒業まであと一週間をきった。
そこで、
「フラオブは先輩達にプレゼントあげたりしないの?」
桔梗ちゃんに聞かれる。
「プレゼント?」
「陸上部はオーソドックスに寄せ書きの色紙と花束なんだけどね。」
「…あっ!」
叫ぶと携帯を弄っていた茉莉が顔を上げて、驚いた。
「なになに?」
「ちょっと高橋くんのクラスに行ってくる!」
…と廊下を走ってきた。
「高橋くん!」