不器用な君等の唄へ
近くのクラスの女子に呼んで貰えば良かったものの、今は一分一秒が惜しい。
少し驚いたようにこっちを振り向いた高橋くんは、友達らしき人と少し話してこちらへ来た。
「何?」
「フラオブの先輩達への卒業プレゼント、何が良いかなって。」
「今ごろ?」
呆れたように笑って、高橋くんは廊下を歩き出す。
私も隣に並ぶ。
確かに今ごろ。
「今思いついた。」
さっきと同じトーンで、何?と聞かれた。
「ミニライブをやろう。」
我ながら冴えてるんじゃないかと思う。