不器用な君等の唄へ
3年生は講堂で合唱練習をしているはず…。
「あぁ、轟。」
面倒そうに重たそうな目を開ける
「鞄持ちっぱなしだし、お花もつけてないじゃないですか。」
お花とは卒業生がつけるお花のコサージュ。
それを手に持って、棒付きキャンディを口の中でカチャカチャと転がす。
「遅刻しちゃって入りにくいんですか?」
「あたしは小学生か。」
「練習さぼって大丈夫なんですか?」
私は焼却炉の方へゴミ袋を放り投げて、先輩に近づく。
「遅刻はあたしじゃなーい。サボってんじゃないの、休んでんの。」