不器用な君等の唄へ

旅立つ空は青く、どこまでも青い。

「…私も良いの?」

「構わないですよ。」

野田先輩が遠慮がちに聞いてくる。

「…にしても、まぁ。」

音楽室を見回して苦笑いする佐々木さん。

「きったない字。」

音宮先輩がトドメをさすように吐き捨てた。

きっと、あのおざなりになってしまった『卒業ミニライブ』の横断幕の文字だと思う。

…すいません、時間がなくって。

ソファーに座る計5人。

「俺、こっちの席に座るとは思ってもみなかったんだけど。」

何が可笑しいのかケラケラ笑うヤギさん。



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