不器用な君等の唄へ

「では始めます。」

マイクのスイッチを入れる。

「今日、卒業生する先輩方にこれまでの感謝の気持ちをこめて!
ミニライブを開きます!」

それからは順調に曲が進んだ。

“BLUE SPRING.”が始まった時は、音宮先輩が酷い形相をしてこっちへ来るのを、雪比良先輩に止められていた。

最後の曲が終わった後、拍手が聞こえる。

「…え?」

それは先輩達だけのではない、無数の拍手。

「あっ、窓閉めるの忘れてました。」

中馬さんが言って気づく。

そして全員で窓の外を見た。



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