不器用な君等の唄へ
近くに住んでいて、今日は家に来るとメールがあった。
猫は警戒心強めにあたしの後ろから彼を見た。
「お風呂場行ってな。」
ずぶ濡れだったからドライヤーを使えばなんとかなるはず。
素直に従った猫はスルリとお風呂場に入っていった。
「…お前の?」
「帰りに拾った。」
「拾ったって…。」
呆れて笑ってる。
あたしは買ってきたものを冷蔵庫にいれた。
「雨凄いな。」
低めのガラステーブルに肘をつき、カーテンの隙間から雨を見ている。
あたしもそれを見た。