いのちの歌。


「たとえば…おびえるとか…泣くとか…」

おびえる?泣く…?

「何故泣いたりおびえたりするんですか?」

「…もういい。じゃぁな。巫女。」

「もう…行くんですか?」

「はっ?」

あ…

「すみません。なんにもありませんのでお気になさらず。」

何を言っているのかしら。

しかも死神ってよく考えてみれ敵なんじゃ?

「えっ?」

頭を触られてる?

「んな顔しなくても気が向いたら来るよ。」

なんとも穏やかな顔だった。

死神とは思えないほどの優しげな顔。

「死神でもそんな顔するんですね。」

「あぁ。よくいわれる。別にいーじゃねーか。死神が笑っちゃいけねぇなんて事はないんだしよ。」

「…まぁ、確かに。」

「じゃーな。」

ドアを開けてその人は去って行った。

数時間たって、またドアが開いた。

今日は客人が多い日だ。

そこには驚くべき人がいた。

「…神………」

この方はこの世界のバランスを保つ存在であり、

世界はこの方中心にいる存在であり…

私の父親でもある。

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