いのちの歌。
「無事か。巫女。」
私の元へ来る神。
「無事ですよ。そんなに心配しなくても…」
「我が娘を死神の前に晒して、心配せぬ親がどこにおるのだ。」
わかりますよ。神。
私など…本当は必要ないのでしょう?
それを口に出したくない。出したら壊れてしまうから。
「心配してくれてありがとう。神。」
「今くらい父と呼んだらどうだ。」
無理ですよ…
「規律です。」
そういって紛らわす。
いつもの事。
「お前は堅いのう…」
「では、引き続き歌います。」
「あぁ、頼むよ。」
と言って神は出て行った。
「はぁ…」
あの人の相手は疲れる。
スゥと息を吸う。
・・・・
永遠に繰り返されるいのちの歌。
その繰り返しの中で、
出会いと別れがあり、
そこで愛をはぐくみ、
そしていのちが生まれる。
時間とは永遠で永遠ではない。
その時間の中で
私たちは今日も、生きている。
終わりの近づくいのちの歌を奏でながら…
・・・・