◆ 少年よ、大志を抱け!
「ハルカワイー」
小林が頬杖をついて言う。
なっ…ちょっと待て。
3回目だが、おれは男だ。
…と異議してやりたいところだが、
生憎おれは教科書を読まなければならない。
急いで現代“社会”の教科書を出し、
87ページを読み上げた。
噛むこともなくすらすらぺらぺらに。
どうでもいいけど
おれは今まで
教科書を読むのを噛んだことがない。
…うん、どうでもいい。
「いい声ですねー皆川くん。
これからは全部皆川くんに読んでもらいましょうかねぇ」
嫌な冗談だよ全く…。
「せんせーい、それがいいと思います」
!?
ちょっと待て小林!(と担任!)