Wissenschaft vs. die Magie
「…どんだけバグキャラよ…あんた…」

さっきこぼした涙が恥ずかしくなった。

核爆発と終末の光を『なかった事』にできるなんて。

こんな奴が世界に存在していいの?

あまりにこの世界のバランスを崩しかねないほどの力を持つルドルフに、腹が立ってくる。

「そう言うな…」

まだ呼吸も整わないまま、彼は苦笑いする。

「こう見えても必死だったのだ…ここまで死に直面した事もない…科学者にしておくには惜しい女だよ…八王子棗」

その言葉に、それまでのような翳は感じられなかった。

むしろ全力を出し切った事による清々しささえ感じられる。

そんな顔で尚。

「Die Macht des Planeten, alle Sachen dazu zu zeichnen, Sie, ich helfe ihm(万物を引き寄せる惑星の力よ、汝、我が力となれ)」

ルドルフは更なる詠唱を唱えた!

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