Wissenschaft vs. die Magie
とにかくこうしていても埒があかない。

私は立ち上がった。

「どこへいく?」

「決まってんでしょ。元の世界に戻る方法を探さなきゃ。少しこの近辺を調べるわ」

怠慢に座ったままのルドルフに対して言う。

「…ただの頭でっかちなだけの科学者かと思っていたが…なかなかお前はバイタリティがあるのだな」

溜息混じりに呟くルドルフ。

「何言ってんのよ!」

赤い眼鏡を指先でキュッと押し上げて、私は彼を睨んだ。

「あんたも手伝うのよ!こういうファンタジーなのは、どっちかって言うとあんたの専門でしょ!それから『お前』なんて言わないで!」

まぁ、それまで貴様呼ばわりされていた事を思えば、『お前』はまだマシな方だけど。

私にせっつかれ、ルドルフはもう一度溜息。

気だるそうに重い腰を上げた。

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