Wissenschaft vs. die Magie
道標すら何一つない草原を、ひたすらに二人並んで歩く。

「しかし」

ルドルフが言う。

「どの程度の文明レベルなのだろうな、この世界は。お前の住む世界のように、科学が極端に発達した世界ではなさそうだが」

「お前はやめてって言ってるでしょ」

ピシャリとたしなめた後。

「わかんないわよ?さっき飛空艇が飛んでた…航空技術があるって事は、そこそこの文明レベルなのかもしれない…まぁ飛竜が住んでるようなファンタジーな世界は、大抵が中世ヨーロッパクラスの文明レベルって相場が決まっているけど」

私はルドルフと目も合わせずに自分の推測を口にした。

そうなると厄介だ。

完全に私の得意とする科学の出番はなくなる。

召喚だの時空転移魔法だのいう技術で、元の世界に戻る方法を考えなければならない。

私はこの世界ではただの素人だという事だ。

その場合は悔しいが、ルドルフに頼らざるを得なくなるのだが…。

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