Wissenschaft vs. die Magie
「八王子君」

「棗ちゃん、出来たって?」

時空転移装置完成の報を受け、所長以下国際科学研究所の面々が朝早くから私のラボに訪れる。

「ええ…今朝早くに完成したばかりです」

おさげ髪を揺らし、アホ毛をみょんみょんと振りながら私は振り返った。

「まだ起動はさせていないけれど、シミュレーションでは誤作動の確率は30万分の1以下と出ました」

数学的見地から言うなら、確率が30万分の1以下なら0パーセントと解釈していい。

つまり、時空転移装置の誤作動は有り得ないという事だ。

「では…」

やや興奮気味の所長の言葉に、私は頷いた。

「ええ。早速時空転移装置を起動させたいと思います」

興奮していたのは、私もかも知れない。

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