Wissenschaft vs. die Magie
そういえば先程から気になっていたのだけれど、焦げたような臭いが鼻につく。

遠くから、乾いたような音も聞こえる。

タタタタタ、という音。

まさかあの音…銃声?

嫌な予感がよぎり、私は走り出した。

もっと視界の開けた場所へ。

もっと状況の確認しやすい場所へ。

痛む足を引き摺り、鬱蒼と茂って絡み付いてくる雑草ももどかしく、雑木林を進む。

やがて多少開けた場所に出て、視界が確保できた。

その場所から見える街の光景を目にして。

「……なんて事…」

私は口元を覆って絶句した。

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