Wissenschaft vs. die Magie
輸送機の後部ハッチから、乗組員が手を振っている。

私はその後部ハッチへと飛翔し、着地する。

「……」

M-388の受け取りをしている私を、ルドルフは黙認していた。

阻止するでもなく、輸送機を攻撃するでもなく、ただこちらを見ているだけ。

「それでは八王子研究員…お預けします」

輸送機乗組員が、モスグリーンの強化樹脂製のケースを開く。

中に入っていたのは無反動砲と、口径6インチの核弾頭、M-29。

M-388は、通常は三人の兵士で運用され、取扱いマニュアルによれば核砲弾運用時には砲弾炸裂後の爆風と放射線から砲員と砲自体を守る為に塹壕を設営して運用する事が前提とされている。

しかし私は身体強化服を装着している為に防御力も常人の数倍はある。

放射能はともかく、爆風や無反動砲の重量などは問題ではなかった。

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