Wissenschaft vs. die Magie
嬉々として言い放つルドルフに、私は唇を噛む。

まだ迷いがあった。

これを…この『悪魔の兵器』を撃たなければならないのか。

出来る事ならば撃ちたくはない。

当然の感情だろう。

そして、唇を噛んだのはもう一つの理由。

「言ったわよねルドルフ…私は何でも確かめずに結論付けるのは大嫌いだって。自分の目で納得いくまで確かめて、確認して、調査して、それで初めて結論を出すって」

ルドルフほどの男の口から、死ぬ事しか出ない。

その事が、私をいらつかせる。

望めば何でもできるのだろう万能の技術『魔法』を持ちながら、既に妹の生存を諦めてしまっている彼の生き方が、私には許せない。

万能でない『科学』を信奉する私でさえ、決して最後まで望みは捨てないというのに。

「殺さないわよ」

私はM-388を構えた。

「殺したりしない。このM-388で、寝ぼけたあんたの目を覚まさせて…私があんたを妹さんのとこまで引き摺って行ってやるわ!」

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