Wissenschaft vs. die Magie
「そら見た事か」

ルドルフが言う。

「この期に及んでまだ俺に攻撃を許すような奴に、俺を倒せると思っているのか。それ程の兵器を手にしたのならば、躊躇なく撃て。非情に徹しきれない者に、俺を倒せるものかよ」

「……!」

歯噛みし、ルドルフを睨みつける。

言われっ放しなのは悔しい。

反論してやりたい所だけど…残念ながら彼の言う事は的を得ていた。

M-388を手にし、構えてみた所で、私には覚悟が足りない。

核弾頭を撃つ覚悟。

ルドルフに対して使用する覚悟。

覚悟なき者がどんな力を手にし、どんな大言壮語を口にした所で意味はない。

「俺を撃つ覚悟が足りぬのならば」

黒い翼を大きく広げ、ルドルフは両手を空へと掲げた。

「覚悟をくれてやる。その科学爆弾を撃たねば、この世界ごと貴様も死ぬ…それ程の窮地に追い込んでやる」

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