短‐雨が嫌いな理由
いつからだったろう?
わがままを全く言わないあいつに、不満、不安を感じるようになった。
仕事で忙しく、あいつと会う時間がなかなか作れなかった俺。

あいつは文句を言ったことなんて一度もなかった。
一人は嫌だと言っていたのに、あいつから『会いたい』と言われたことなんてなくて。



だんだん、俺はあいつにとって必要な存在なのか、わからなくなったんだ。


それが、空しくて。



耐えられなかったんだ。





言えなかった。
きっとあいつのことだからそういうことなんだろう。
あの時の俺は、そんなこともわからなくなっていた、バカだったんだ。
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