蒼く純粋な蛍

「君は?」

そう一言、
少しだが真剣な顔をして聞かれた。

「…由芽
春川由芽。」

「由芽か。
なんかそんな感じやな。
雰囲気と名前が一致してる。」

あたしはこの時何故胸が締め付けられるような思いに浸っていたのだろう。

冷たい
クール
ドライ

そう言われることが多いのに。
何故だろう。
蛍の一言一言があたしの胸に、
しっかりと刻まれていく様なんだ。
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