蒼く純粋な蛍
「…偶然ですよね」
あたしの声は少しむなしく店内に響いた。
「え?」
「蛍は、あたしに会ったこと、どう思いますか?」
あたしは聞いた。
その答えが、あたしが抱いている理想と当てはまるようにと、
期待をのせて。
「偶然…なんやろな。
でも出会ったことには必ず意味があるって言うし。
どうなんやろな。」
曖昧だった。
でもあたしは、それでもいいと思ったんだ。
貴方ともっと話したい。
貴方のことをもっと知りたい。
こんなことを思うのは、
何年ぶりだろう。