蒼く純粋な蛍

公園を出ようとした時、
ふとあるものが目に入った。

…まっさらな空。

「キレー…」
あたしは思わず見とれてしまっていた。
こんな蒼い青い空を見たのは、久しぶりだったから。

思わず見とれていると、

「キッキーッッッ!!!」
鈍い音が響きわたり、
あたしの腿の辺りにゴムみたいな感触が体中に走り回った。

「大丈夫!?ほんまごめん!!」
誰かの声が頭の中に反響を繰り返す。

あたしは、ぐっと手に力を入れて鉛のように重い体を持ち上げた。
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