隠す人
*
なんだ、うるせぇな。
「相棒」のテーマソングが、さっきから耳障りだ。
原田刑事は、携帯電話が執拗に鳴る音で目が覚めた。
目を開いた途端、半端じゃない頭痛と頭重に襲われる。
なんだこれは、まるで二日酔いだぜ。
だがそんな訳はない、昨日は二宮のマンションの前で一晩中張り込みを・・・
そこまで思考を進めてから、原田は完全に目を覚ました。
一晩中張り込みをしていたはずの人間が、なぜ目を覚ましたのか?
答えは一つ、「寝てしまった」からだ。
街は、もうすっかり朝になっていた。
原田たちが路駐している車の脇を、通勤、通学する人々が迷惑そうにちらちら車内を見ながら通り過ぎていく。
助手席の西刑事に目をやると、彼女もまた、食べかけのアンパンを手に、気持ち良さそうに熟睡している。
「ムニャムニャ。二宮さん、こんなところでいけません・・・」
いけない夢を見ているようなので、原田が西の両頬をビシバシ叩いて起してやった。
「西!起きろ、もう朝だ!」
くそっ。なんでこんなことに。
二人揃って、寝てしまうなんて。
これで二宮が逃亡、あるいは殺害なんてことになったら、大失態だ。
焦る原田の目に、西の手にあるアンパンが映る。
・・・これだ、このせいだ。
昨晩のことが、鮮明に思い出された。
なんだ、うるせぇな。
「相棒」のテーマソングが、さっきから耳障りだ。
原田刑事は、携帯電話が執拗に鳴る音で目が覚めた。
目を開いた途端、半端じゃない頭痛と頭重に襲われる。
なんだこれは、まるで二日酔いだぜ。
だがそんな訳はない、昨日は二宮のマンションの前で一晩中張り込みを・・・
そこまで思考を進めてから、原田は完全に目を覚ました。
一晩中張り込みをしていたはずの人間が、なぜ目を覚ましたのか?
答えは一つ、「寝てしまった」からだ。
街は、もうすっかり朝になっていた。
原田たちが路駐している車の脇を、通勤、通学する人々が迷惑そうにちらちら車内を見ながら通り過ぎていく。
助手席の西刑事に目をやると、彼女もまた、食べかけのアンパンを手に、気持ち良さそうに熟睡している。
「ムニャムニャ。二宮さん、こんなところでいけません・・・」
いけない夢を見ているようなので、原田が西の両頬をビシバシ叩いて起してやった。
「西!起きろ、もう朝だ!」
くそっ。なんでこんなことに。
二人揃って、寝てしまうなんて。
これで二宮が逃亡、あるいは殺害なんてことになったら、大失態だ。
焦る原田の目に、西の手にあるアンパンが映る。
・・・これだ、このせいだ。
昨晩のことが、鮮明に思い出された。