隠す人
*
取調室に通された節子は、次第に落ち着きを取り戻した。
いや、正確に言うとカツ丼を食べ、茶を勧められるままに3杯飲み干した後に、ようやく落ち着きを取り戻した。
(よく食べる老人だな・・・)
原田刑事は内心呆れていたが、節子の動揺には何か、重大な事実が隠されているような気がして、節子が落ち着くのをじっと待つ。
最後のお茶を飲み干すと、節子はようやく、空になった茶碗をテーブルの上にコトン、と置いた。
「ふぅ、マンプクマンプク。ごちそうさまでした」
放っておくとそのまま帰りそうな勢いだったため、西刑事が慌てて話の口火を切る。
「で、節子さん。今日はなんで警察に来られたの?」
「あ、そうだった」
節子は思い出したように、膝に乗せていた風呂敷包みをテーブルに載せた。
「ちょっと・・・これを見てほしくって」
風呂敷包みの結び目に、手をかける。
身を乗り出す、原田と西。
「・・・会社の人には、内緒だよぉ」
「分かった分かった。内緒にするから」
内心、「じらすなよ!」と突っ込みを入れたくなる衝動に駆られるのをじっと我慢する。
藍染の風呂敷が、テーブルに広がった。
風呂敷の中身は、大量の濃いみどり色の封筒だった。
取調室に通された節子は、次第に落ち着きを取り戻した。
いや、正確に言うとカツ丼を食べ、茶を勧められるままに3杯飲み干した後に、ようやく落ち着きを取り戻した。
(よく食べる老人だな・・・)
原田刑事は内心呆れていたが、節子の動揺には何か、重大な事実が隠されているような気がして、節子が落ち着くのをじっと待つ。
最後のお茶を飲み干すと、節子はようやく、空になった茶碗をテーブルの上にコトン、と置いた。
「ふぅ、マンプクマンプク。ごちそうさまでした」
放っておくとそのまま帰りそうな勢いだったため、西刑事が慌てて話の口火を切る。
「で、節子さん。今日はなんで警察に来られたの?」
「あ、そうだった」
節子は思い出したように、膝に乗せていた風呂敷包みをテーブルに載せた。
「ちょっと・・・これを見てほしくって」
風呂敷包みの結び目に、手をかける。
身を乗り出す、原田と西。
「・・・会社の人には、内緒だよぉ」
「分かった分かった。内緒にするから」
内心、「じらすなよ!」と突っ込みを入れたくなる衝動に駆られるのをじっと我慢する。
藍染の風呂敷が、テーブルに広がった。
風呂敷の中身は、大量の濃いみどり色の封筒だった。