隠す人
「それなら。みどり色の封筒の方に、拾った日付を書いておきましたよ」
そう言われ、西刑事が封筒を確かめる。
「○月×日。事件発生の、ちょうど一週間前ですね」
「そうか。・・・ん?」
原田刑事が、あることに気づき眼を見開いた。
一週間前。
一週間前?
この言葉、どこかで聞いた。
それも、一回ではないような気がする。
「西!おい!」
原田刑事が、勢いよく立ち上がった。
はずみで、座っていた折りたたみイスが倒れる。
「二宮に関する全ての資料を、全部持って来い!全部だ!足りない分は、大至急取り寄せろ!」
(6.隠す人 終)