隠す人
「・・・動くな。警察だ」
その沢渡に、銃を向けるもう一つの人影。
西刑事だった。
(・・・このセリフも、使う場面があった~!)
今はそんな悠長なことを言っている場合ではないことは、さすがの西刑事にも分かっているので、声には出さず、沢渡を睨む。
「銃を床に置きなさい」
「・・・」
部屋の照明がついて、原田刑事を先頭に応援の刑事たちが駆けつける。
観念した沢渡は銃を床に放ると、自らもへなへなと座り込んだ。
「沢渡夏子。銃刀法違反、及び殺人未遂の現行犯で、逮捕する」
沢渡の両手に、手錠をかける金属音が響いた。