隠す人
*
静かな室内。
きれいに片付けられた秘書のデスクに、座っている二宮。
「・・・」
飴色に輝くデスクの天板を、名残惜しそうになでる。
ドアがノックされた。
我に帰る二宮。
「どうぞ?」
顔を出したのは、原田刑事と西刑事だった。
「今日、ロンドンに発たれるそうですね」
「えぇ。立ち入り禁止の解除が間に合ってよかったです。まだ私物が残っていたので」
「まぁ、あなたは結局、毎日出入りしてましたけどね」
西刑事が、イトウニシキの水槽を眺める。
今日も元気に泳いでいる。
「イトウニシキは、誰が面倒を?」
「え?・・・あぁ」
二宮は、困ったような笑みを浮かべた。
「・・・山形に出張に行ったとき、ちょうどそこで村祭りがありまして。これは、露店の金魚すくいで、社長が捕まえた金魚です」
「え?てことは・・・」
「はい、ただの金魚です」
「えぇ~?!」
驚く西刑事に、原田刑事はあきれ顔。
「おめぇ、こいつがここにUSBメモリ隠してた時点で、気づけよ!俺たちがこの水槽に近づかないように、嘘ついたのさ」
静かな室内。
きれいに片付けられた秘書のデスクに、座っている二宮。
「・・・」
飴色に輝くデスクの天板を、名残惜しそうになでる。
ドアがノックされた。
我に帰る二宮。
「どうぞ?」
顔を出したのは、原田刑事と西刑事だった。
「今日、ロンドンに発たれるそうですね」
「えぇ。立ち入り禁止の解除が間に合ってよかったです。まだ私物が残っていたので」
「まぁ、あなたは結局、毎日出入りしてましたけどね」
西刑事が、イトウニシキの水槽を眺める。
今日も元気に泳いでいる。
「イトウニシキは、誰が面倒を?」
「え?・・・あぁ」
二宮は、困ったような笑みを浮かべた。
「・・・山形に出張に行ったとき、ちょうどそこで村祭りがありまして。これは、露店の金魚すくいで、社長が捕まえた金魚です」
「え?てことは・・・」
「はい、ただの金魚です」
「えぇ~?!」
驚く西刑事に、原田刑事はあきれ顔。
「おめぇ、こいつがここにUSBメモリ隠してた時点で、気づけよ!俺たちがこの水槽に近づかないように、嘘ついたのさ」