Sugar doll
「…な、なに?」


モジャ毛が話し出したところで

俺は
体を離して
彼女の小さな手を取った


「…来い。」

「え?
ちょっ…!」


騒ぐモジャ毛を無視して
そのまま
車に押し込み
発進させる


「どこ行くの…?」


不安そうに
泣きはらした目で
俺を見つめる

「いいから。
着けばわかる。」


そう言うと
モジャ毛は何も言わなくなった



でも
変わりに

声を殺して無く
小さな嗚咽と

鼻をすする音が
車内に響いた
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