Sugar doll




私は二人が消えた
一点を見つめたまま
動くことが出来なかった


「…杏?」


真琴の声が遠くに感じる

キュゥゥゥ

一瞬にして胃が
締めあがった


「杏?

きっと
ただの知り合いとかだよ!?

気にしないでさ…

杏ッ!?」


視線がゆがんだ


ポタッ…-

瞼から
大粒の涙が落ちて
乾いたアスファルトに
染みを作る


「っつ…。」

私…
泣いてた…ー?
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