紙ヒコーキの恋〜短篇〜
復活
私は登校して朝の会をして一時間目が始まるとすぐ寝た。目を閉じるとあの日のケンカがまだ頭のなかに残っていた。“選ぶ人間違えた”とかへんなこと思ってゴメンね亮太。もうそんなこと思わないから。私の目の前にはいつも素直になれない私がいた。他の男子に目がいって、亮太が視界に入ってなかったからこんなことが起きていたんだよね。亮太は伽奈とばっか話してたけど私のことちゃんと、見てくれてたなんてあとから知ってなんとなく嬉しかった。私はこれだから、フラレちゃうんだよね。でも亮太は違かった。いつも私のこと見て、大切にしてくれて、人生最高の出来事かもしれない…―コッツン!何かがあたった。ストっと落ちて、パタンと音をたて床にいた。それは、愛しさがあふれる紙ヒコーキだ。中には書いてある!“寝顔萌える”だってさ♪こんなに小さいけれど存在感は亮太と同じぐらいあった。長く続いてほしいこの関係。 愛しくて、甘酸っぱいこの恋はノンストップで走り続けた。 そして私は、いつかくる別れは目の前にあるのに気が付かなかった。