猫男
彼は彼女を喜ばそうと必死だった。その先のことを考えると彼は幸せでいっぱいになる。

「HEYジョニー。なにしてんだいここで」

彼は我に帰り姿勢を整えて、同時に着ているコートを揃えた。そこにいたのは、見せ物屋の主人「グスタフ」だった。大柄な体格にラクダ色のジャンバーを着ていた。太い腕には金で出来た腕輪をつけており、肉厚のある指の一本一本に豪華な指輪をつけている。

彼はびっくりして一気に背筋をのばした。彼は仕事の依頼人だったからだ。

「ごきげんようグスタフさん。あの依頼の件ですが大体、奴の動きを把握しました。」

「馬鹿に早くねぇか」グスタフはポケットから箱を出し、手振りで箱からタバコを覗かせるとダバコの先っぽを口にくわえた。ジョニーはポケットからライターを出し彼のタバコに火をつけながら言う。

「どいつもこいつも城に入るパターンは一緒です」

「ほう?」

「下町に城と繋がっている穴を見つけたんです。穴は無造作に開けられた物で、その付近に動物らしきひげを一本見つけました。」

ジョニーは胸ポケットからビニールに入れられた動物のひげをグスタフに見せる。
グスタフはそれを見てうなずく。

さらにジョニーは話を続けた。
「おそらく奴の物です。
それで…調査している時、兵士に見つかってしまいまして。それから兵士が見張るようになりまして、問題は奴が来るか、あるいは捕まるか…」

グスタフは葉巻を一吸いしてから煙を吐く。
「大丈夫だろう。なにせ猫男はプロだからな。捕まれば、牢屋から出せばいい。」
ジョニーはうなずく。


「本題に入りましょう。今回の金なんですが」
「1000万コチだ」

ジョニーは驚いていた。ちょっとコートをいじってから言う。
「良いでしょう。」


グスタフは頷き、吸っていたタバコを地面に捨て靴のそこで火を消した。
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